【嫉妬】ー…妬み、恨み、羨ましいと思う事。

パタリと何気なく開いていた辞書を閉じるとルビーはふぅと息を吐いて時計を見上げた。
時刻はお昼ちょっと過ぎ。
そろそろ時間か、と呟くとルビーは少々形が独特的な白い帽子を被り、出掛ける準備をするべくモンスターボールを手に持った。

「じゃあ、RURU。悪いけどお願い出来るかい?」

手持ちポケモンをボールに戻し、唯一、ボールに戻さなかったキルリアー…RURUに話しかけると彼女は任せて!と得意気な表情で小さな手を自分の胸に置いた。
ありがとう、と小さく笑いかけるとルビーはRURUに指示を出した。

「RURU!ミナモシティにテレポート!」


ガサガサとビニール製の袋を両手に持ち、ルビーは帰路を歩いていた。
RURUはテレポートを使った為、疲れてしまったので帰りの道は自分で歩いて帰る事にしたのだ。
ランニングシューズがあるのであまり遅くに帰る事もない。
のんきにゆっくりと歩いているとふと聞き慣れた声が耳に届いた気がした。

「…?」

不思議に思って、声がする方へとてくてく歩いていく。
そうして辿り着いた場所はあまり広くはない公園だった。

「そんなんじゃなかとです!」

突然、公園に響いた声。

「あの声は…」

その声はルビーにとって、あまりにも馴染み過ぎたものだった。
ルビーは自分の予想が外れる事を祈りながら、声のする方に顔を向ける。
そこにはルビーの予想通り、(連日続きで「バトルばしたか!」とお願い攻撃をしてルビーを悩ませている)サファイアが居た。

「やっぱり、サファイア…と、…ゴールドさん…?」

驚く事にサファイアは同じ図鑑所有者で、自分達にとっては先輩の前髪が不自然に爆発した男ー…ゴールドと一緒に居た。

何故、此処に先輩が。
そもそもどうしてサファイアと一緒に居るのか。

訝し気に視線をゴールド一人から二人へと向けるとルビーは目を丸くした。
そこには顔を真っ赤にさせて、立ち上がったサファイアがゴールドに何か言われたのか、大人しく隣に座って顔を赤らめながら笑っている光景があった。
顔を赤面させたかと思ったら泣きそうになって、切なそうに眉を下げて儚そうに笑って、でも、その笑顔がとても綺麗で。
ルビーは次々と変わっていくサファイアの表情から目が離せなかった。
サファイアの仕種一つ一つを見逃すまいと目が彼女を追っていく。

「…あ」

ルビーは慌てて、漏れてしまった声が聞こえないように口元を手で覆った。
小さな声だったので、二人はルビーの存在に気付く事なく会話を続けている。
ほっと息を吐くとルビーは無意識に袋を握る手に力を込めた。
ゴールドがサファイアに優しく微笑みかけて頭を撫でる。
サファイアが嬉しそうに笑ってされるがままになっている。
その光景を見て何か、もやもやとしたものがルビーの心に影を落とした。

何だろう。
ムカムカする。
出来る事ならあの場に飛んで行ってサファイアの頭にある手を払いのけて、サファイアを連れて行ってしまいたいくらいだ。

ふと、出掛ける前に暇潰しに見ていた辞書に載っていた言葉が脳裏を過ぎる。

【嫉妬】

「…!」

ルビーはその事実に気付くと愕然と目を見開いた。
ドサリと両手に持っていた生地が沢山入った袋が地面へと落下する。
その落下音にも気付かず、ルビーはただ呆然とその場に立ち尽くした。


(まさか、ボクが嫉妬をするなんて!)

**************
駄文過ぎた(^p^)
嫉妬ものを書きたかったのに。
何故こうなる。
いつかリベンジしたいです。
ちなみにルビーはサファイアの服を作るために足りない生地を買いに行ってました。
そして私はランニングシューズを何だと思っているのか。


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