深刻な表情。
静まり返るプラチナの私室。
豪華な部屋で佇むのはその部屋の主であるプラチナとその護衛であり大切な仲間達。
重苦しい空気の中、漸うプラチナが口を開く。
「…どうしましょう。大変な事になりました」
嫌な汗をかいてプラチナが眉根を寄せる。
ただ事ではない雰囲気を醸し出すプラチナに呑まれていたパールとダイヤモンドは互いの顔を見合わせた。
「お嬢さん、大変な事ってどういう事だよ…?」
長い沈黙の末に開いた口は渇いていて声が掠れた。
「隕石が…隕石が落ちてくるんです…!」
体を震わせて、プラチナは衝撃の一言を放つ。
「たっ、大変じゃないか!今すぐ何とかしないと!」
いや、待てよ。
確かに大変な事ではあるけど、オレ達でどうにか出来る問題か?
どうにも出来ない規模の問題なんじゃないか?
ここは師匠や周りの大人に相談して…。
ぐるぐると目まぐるしく回転するパールの頭脳は肝心な事に気付いていない。
その肝心な事をダイヤモンドが口にする。
「お嬢様〜。それってどこの情報なの?ガセネタじゃなくて正確な情報?」
「はい!ツイッターで入手した物で確かな情報筋です!」
自信満々に答えるプラチナに唖然とするパールとダイヤモンド。
「…って、ツイッターかよ!」
一分経過してからパールがツッコミを入れる。
「はい。ツイッターです」
「お嬢様〜。ツイッターじゃ正確な情報とは言えないよ〜」
「何故ですか?」
「本当の事とガセネタが混ざってるんだよー」
「えっ…」
驚いて目を丸くするプラチナ。
白く柔らかい頬が徐々に紅潮していく。
「でっ、でも、本当に隕石が落ちてくるんです!」
「お嬢さん…」
首を左右に振って知識の誤りを認めないプラチナを呆れた表情でパールが見る。
「ですからっ!…隕石が落ちる前にお二人と遊びたいんです!!」
顔を真っ赤にして叫ぶプラチナと目を丸くするパールとダイヤモンド。
プラチナが真に言いたい事を悟った彼等はそれぞれ微笑を零した。
苦笑するパールがプラチナの片手を取り、穏やかな微笑みを浮かべるダイヤモンドが空いているもう片方の手を握る。
「行こうよ、お嬢様」
「まずは何から始めるか?」
プラチナだけのナイトであり、彼女の大切な友達にエスコートされてプラチナは望みを口にする。
「ー…コトブキマンション前に行きたいです」
それを聞いたパールとダイヤモンドは嬉しそうに笑って駆け出した。
彼等に引っ張られてプラチナも走り出す。
行こうよ!
オレとオイラと私が出逢った始まりの場所へ!
全ての始まりの場所。
そこからもう一度始まるんだ!
(まずはマサゴ公園の自転車コース一周からです!)
(お嬢さん、自転車にもう乗れるのか?止まり方も走り方も大丈夫?)
(完璧です!知識だけではありません。散々練習致しましたから!)
(そしたら一汗かいたら温泉行こうよ〜。あの、鼻が曲がっちゃったお姉さんが居た所の〜)
(あー、あの人。オレ達の事覚えてるかなー?)
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シンオウの三人組は割と遊び目的で遊びまくる事がなかったと思うから、子供らしく遊び回れば良い。