『人間は二足歩行をする前は動物と同じ様に手と足を使って動いていました。その頃は肩も良く使い、動かしていましたが、二足歩行を行う様になり、発展する時代と共にニーズに合わせ、肩をあまり動かさない生活を送る様になりました。それに伴い、肩凝りが頻繁に起こる様になったのです』

『…以上、何故人間は肩が凝る様になったのか。アガサネ教授からの説明でした!アガサネ教授、分かりやすい解説をありがとうございます!』

テレビの中で白髪の老人に頭を下げる司会と拍手を送る客席に座る人やゲストを眺め、ルビーはちらりと横目でソファーに座るサファイアを見た。


雨が降っているので本日は家の中でテレビを鑑賞する事に決めたルビーとサファイアはテレビの電源をつけた。
画面に映ったのはゲスト席に座るオーキド博士。
何故ここに博士が。
めいいっぱいに両目を見開いたルビーとサファイアは食い入る様にテレビ画面を見つめた。


という過程を経て現在テレビを眺めていたサファイアを見たのだが、ばれないようにそっと彼女を盗み見たつもりであったのにばればれだったらしい。

「…何ね?」

サファイアに眉を顰められてしまった。

「何でもないよ」

「せやから何ね?」

「何でもないってば」

押し問答を繰り返す。
今、自分が思った事を素直に口に出せば、怒ったサファイアがクッションを投げるだろう。
そう思ったから首を横に振っていたのに。

「何でもなくなかやろ?いいから早ぅ言うてみぃよ」

ずずいっと顔を近付けられ、真剣な表情のサファイア。
後退ってルビーはサファイアから距離を取ると先刻思っていた事を口に出した。

「…いやぁ、サファイアは肩凝りしないんだろうなぁって思っただけだよ」

「…それはあたしが原始人だとか野蛮人やから肩凝りせんのやろっちゅう事が言いたいんよね?」

「そんな事ないよ!サファイアは良く運動をしているから肩凝りしないんだろうなって意味さ!」

「嘘ばつかんで!」

否定してフォローを入れたらクッションを思い切り投げられた。
顔面で柔らかいクッションを受け止めると、バタバタとサファイアが走る音とバタンと勢い良く扉が閉まる音が聞こえた。

…ほら、ね。
予想通りクッションが飛んできた。

溜息をつくとぼとりと落ちたクッションを拾ってソファーに戻し、サファイアを追い掛けた。


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ルビーとサファイアの日常なんかを。
母親から肩凝りの原理を聞いて、サファイア絶対肩凝りしないわ…と思って、思い付いたネタです^^



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