見た目はギャル系。
コンプレックスは他人よりもほんのちょーっとだけ小さい胸とボリュームのある髪。
皆はふわふわした髪が羨ましいって言うけど、実際にこの髪質になったら二度と言わないと思う。
それくらい手入れも大変だ。
成績は中の上。
そこそこ。
授業は一応受けるけど、ばれないように携帯をいじったりしてる。
ここまでの私はそこら辺にいる女子高生となんら変わりはない。
違うのは。
ポケモン廃人だっていう事。
初代のレッド、グリーン、ブルーは勿論の事、ピカチュウ版、金、銀、クリスタル、アドバンスのルビー、サファイア、エメラルド、リーフグリーン、ファイアレッド。
それから、DSのダイヤモンドパールにプラチナ、ソウルシルバーにハートゴールド、ブラックにホワイトの全てをコンプリートしている。
図鑑のポケモンのデータは集めきったし、タマゴも良産して、それから色違いも集めて。
数値をチェックしたりなんて事をやってたらプレイ時間が有り得ない数字になった。
流石にこんな事実を知られる訳にはいかない。
知られたら絶対に引かれる。
だから普段の生活から気を付けてた。
同じ高校の人が近くに居たら絶対にポケモンはやらないし、ゲームも持っていかない。
その代わり、禁断症状が出る前に急いで家に帰ってゲームに手を伸ばすけどね。
この血の涙を流す程の努力の賜物で私の高校生活は保たれていたのに。

やってしまった。

ポケットモンスターベストウィッシュの映画館で売られていた限定グッズを拾われた。

元々は落とした私が悪いんだけど、いや、持って来てしまった私が悪いんだけど。

差し出された私の愛しいビクティニ。
つぶらな瞳がとっても可愛い。
問題はそれを差し出しているのが同じ学校の人だという事だ。
せめてもの救いはここが校内じゃなくてホームである事だろうか。
愛らしい顔立ちの青年はニコニコと微笑んでいる。

「君、ポケモンが好きなの?」

小さな口から爆弾発言が飛び出てきた。
しかも直球。
そんなドストレートに言わなくても。
泣きたくなる私に更に衝撃の一言を彼は言った。

「奇遇だね。僕もポケモンが好きなんだ」

君と一緒だね。
微笑む彼とは正反対に私の目は大きく開く。

「僕はトウヤ。君は?」

「私はトウコよ」

名前が似てる。
そう思ったら同じ言葉を返された。
夕方の帰り道。
帰る方向まで一緒だった私達はポケモンについて熱く、語り合った。

偶然がんだ出会いは必然


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トウトウ現代パロ。
トウコちゃんもトウヤ君もポケモンと名の付く物は何でも好きです。
ゲームは当たり前に好きで、アニメ、漫画、カード、全て好き過ぎるポケモン廃人な設定です。
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