最初から何もかもが気に入らなかった。


ソウルは舌打ちをして夜空を見上げた。
暗闇にすら赤い髪は良く映えて、星の瞬きを受けるその髪は綺麗に煌めいていた。
隣にはウツギ研究所という所から盗んだマグマラシ。
マグマラシはソウルに寄り添って眠っていた。
野宿をする時には決まってマグマラシはモンスターボールから出てきてソウルの隣を陣取る。
最近ではマグマラシだけではなく、ゴルバットやゴースト、ユンゲラーまでマグマラシ同様に自分に寄り添って眠るのだから、始めはモンスターボールに戻していたソウルも根負けして諦めた。
春といっても夜は寒い。
寝袋を持っていないソウルには厳しい寒さだが、ポケモンたちが傍で眠るおかげか。
寒いと感じる事はなかった。
ふとヒノアラシを盗み出した時の事をソウルは思い出した。
盗みを決行する前に算段を立てていた俺に話し掛けてきたー…あいつ。
栗色の髪を二つに結った女。
突き飛ばした時の人の気持ちを見透かしてしまいそうな透明な瞳。
あれから再度あいつと会う事があった。

迂闊にもトレーナーカードを見られ、ソウル君と親しげに呼ぶあの女。
弱い癖に旅を続ける女。
弱い筈なのにあいつにポケモンバトルを仕掛けて、一度も勝てない俺。
ああ、腹がたつ。
もっともっと強くならなければ。



洞窟を抜けたソウルは傷付いたポケモンを回復させる為にポケモンセンターへと向かった。
待合室で静かに座って待っているとジョーイがソウルの名前を呼ぶ。
治療が終了したのだろう。
ポケモン達が入ったモンスターボールを受けとってソウルはポケモンセンターを後にした。
ウバメの森を抜けてコガネシティへと行こう。
そう決めるとウバメの森の入口へと足の方向を変える。
刹那、ソウルは眉間に皺を寄せて前方を睨み付けた。
大きな帽子を被った栗色の髪。
青い服から伸びる白い足はニーソで隠され、その服装は冒険着とは思えない。
滑らかに跳びはねた二つしばりの髪の少女にソウルはずんずんと近付いた。

「おい、待てよ!」

荒々しい口調で呼び止めると少女はゆっくりと振り返った。
何もかもを見透かす瞳は健在で、一層ソウルは腹をたてた。
不敵な笑みを浮かべ、ソウルはモンスターボールを構える。
彼の挑戦的な態度を受けて立ち、少女もモンスターボールを構えた。
激しいバトルの始まりの合図がどこからともなくゴングを鳴らした。

恋愛データリサーチ

(敵は12時の方向です!)

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お題から内容が外れてしまいました。
ソウルがリサーチしてない!
合ってるとして敵は〜の所だけだ…。あれ?(^p^)


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