初めに注意点!
キャラ崩壊、特にN。
ツンデレ、狂暴トウコちゃん。
若干の下ネタ。
これらが登場しても大丈夫!という方はこのまま下にスクロールして下さい。
無理、駄目だという方はお戻り下さい。










第一印象は最悪。
第二印象は不可解。
関われば関わる程理解出来ない。
それがトウコとNが抱いた互いの印象。

出逢ったのはプラズマ団のゲーテが演説を終了したカラクサタウンで。
早口で意味不明な事を立板に水の様にぺらぺらと喋るNとぽかんとした表情で青年を見上げるトウコ。
その時抱いた第一印象が最悪だった。
次に再会したのはプラズマ団と共に行動するNを見かけた時だった。
不可解。
思想は似ているが、プラズマ団がやっている事は理不尽でポケモンを傷付けている。
少なくともトウコはそう感じていた。
だからこそ彼がプラズマ団と共に行動する意味が分からなかった。
と同時にある可能性にも気付く。
そして。
三度目の再会。
ライモンシティの遊園地でトウコとNは出逢った。
観覧車に乗ってNが語った事実。
真っ向から受けた挑戦。
第三印象は興味だった。

第四、第五、第六。
会う度に印象が変わる。
新たな一面を知る。
そして、第七。
再びトウコとNが再会したのは全ての闘いが終わって数年が経過した後だった。
ゼクロムと空を散歩していたら突然現れたレシラムとN。
目を丸くした自分に向かってあろうことかこの男は柔らかな笑みを浮かべて、やぁ、と手を挙げて軽く挨拶をしてきた。

どのツラ下げて戻ってきやがった。
覚悟は出来てるんだろうな?

満面の笑みを浮かべて殴り掛かったトウコの手首を掴み、Nは言った。

「トウコに会いたくて戻ってきちゃった。ただいま、僕の半身」

「誰が半身よ。相変わらず貴方の頭の中は残念なのね」

睨み付ければNは嬉しそうに笑った。

「僕を探してくれたんだろう?追い掛けて来てくれた君は僕の立派な半身さ」

「残念ながら追い掛けるのも探すのも面倒臭くなって私は貴方を諦めたんだけど」

「うん。でも僕を無視出来ないよね。だってほら、今も僕に殴り掛かって来たじゃないか」

「とんだ思い上がりね。一度頭を強く打った方が良いんじゃないかしら?」

振り払う事が出来ないNの手を睨み付け、自分の非力さ加減に歯噛みしたトウコの額に自分の額をくっつけたNは穏やかな笑みのまま、静かに囁いた。

「あれからずっと、ずーっと心に穴が空いた感じがしたんだ。空虚で寂しくて、…冷たくて。数年掛けてトウコが居ないからだってやっと気付けた」

だから僕の傍に居て下さい。だなんて、何て勝手な言い分だろう。
第七印象は自己中心的。
これに決定だ。

「…勝手な言い分をよくも言ってくれるわね」

「でも、君もそうだろう?僕を求めてるでしょ?」

何もかもを呑み込む闇の様だった瞳は僅かに光が宿っていて、この数年間が彼にどれ程の光を齎したのか、計り知れなかった。
素直に悔しかった。
彼の隣に居たかった自分が隣に居る事が叶わなかったこの数年間に嫉妬と怒りを覚えた。
同時に自分の心にもNが言った様な空虚が存在する事に気付いた。

「認めないわ」

「って事は気付いてるって事だよね?」

「減らず口は黙ってて」

弁慶の泣き所と呼ばれる場所を蹴飛ばすとNは声にならない声で悲鳴を上げてうずくまった。
男の急所と呼ばれる股間は避けたのだ。
有り難く思って欲しいくらいだ。
涙目のNを見下ろしてからトウコは顔を背けた。

「お帰り、私の半身」

「え!?今、トウコ何て言ったの?もう一回!」

「お帰り、緑色のわさわさした生き物って言ったのよ」

「わさわさ!?嘘だ!今、半身って」

「昼間から寝ぼけないでよ」

トウコに縋り付くNを鬱陶しげに見下ろして、トウコは彼を引きはがす作業に全力を使った。



(I'll give you my heart.)

失った心が欲しかったのは僕か君か。
多分、両方。

**************
トウコちゃんがデレてくれない。
ツンツンツンツンツンツンデレツンの割合。
たまにデレた時の破壊力がハンパない設定。


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -