ー…約束だよ。
ー…絶対に帰ってくるけん。やけ、待ってて欲しか。
「ー…っ!」
夜明けと共に目覚めたサファイアは起き上がるとのろのろと首を左右に動かした。
カーテンもタンスも勉強机も家具という家具全てがシンプルに統一されている。
今の、自分の部屋だ。
この部屋を今の自分の部屋だと確認してからサファイアはベッドから下りた。
瞳を閉じてサファイアは呟く。
「約束やけん…」
そう呟くとサファイアは寝間着から動きやすい洋服に着替えて外へと出掛けて行った。
サファイアが教室に着くと既に学校に着いていたパール達が彼女を出迎えた。
「サファイアおはよ〜」
「おはようったい。皆早かね」
「俺達は普通。サファイアが遅いんだよ」
「そうやろか?」
「それよりもサファイア。サファイアはどの部活動に入部するのか決めましたか?」
プラチナが首を傾げてサファイアに聞く。
サファイアは首を横に振って答えた。
「まだやけど…それがどぎゃんしたと?」
サファイアの答えを聞いてプラチナの瞳が輝いた。
「でしたら、一緒に生徒会の体験入部をしてみませんか?見学だけでも出来るようなので…」
プラチナの誘いに驚いて目を見開く。
余りにも驚き過ぎてサファイアの声が漏れた。
「え」
「…あ、いえ。都合が悪い様なら大丈夫です。サファイアの都合も聞かずに過ぎた事を言ってしまいました」
サファイアの反応を拒絶ととったのかプラチナはごめんなさい、と頭を下げる。
サファイアは慌てて手を左右に振ると違うのだ、と否定した。
「違かよ!ただ、びっくりしただけやけん。あたしも生徒会の部活見学行くったい!」
「…そうですか。ありがとうございます」
一分間ぱちくりと瞬いてプラチナは花が綻ぶ様に笑った。