月明かりに映える 花を咲かせた大樹は その光景を幾度となく 見守って来たのだろう 花の褥で寄り添って 降る花弁に祝福を貰い 想いを交わし誓い合う 幸せというものを だが…… 片割れを亡くした者が 頬を寄せ涙を流す様も 俺はそこで見ている お前が咲かすその花は 祝福か哀悼か…… その花の命のもとは 落ちた涙なのだろうか 風か運んだ一片(ひとひら)を 掌に俺は歩き出す 俺は希望を担いでいく お前はそこで…… 見守っていてくれと 俺も大樹に想いを託す [*前]|[次#] [ poem4 ]|[ main ]|[ TOP ] |