明けぬ夜は無いと知る


無情であれ……
我が身を守るその言葉
非情であれ……
強さを保つその言葉

間違いと言われても
今があるのはそのお陰

人の情に触れる度に
剥がれ落ちる鎧の一部が
足元に散らばっている

全てが無駄だったのかと
最後の欠片が落ちる事に
怯えて俺は後ずさる

守る物を無くした心は
優しさにすら恐れ戦く

形振り構わず牙を剥き
踏み込むお前を傷つけても
迷わず近寄るその強さに
俺は防御の牙をもがれた

優しく強く抱き締められる
細い腕が苦しくて
静かに熱く囁く言葉に
胸の内を見透かされ
切なく甘く見つめられれば
力を無くし倒れ込む

隠して忘れて遠ざけた
暖かさに包まれて
無防備な眠りを晒した

手負いの獣は眠りに落ちて
目覚めて人と成るならば
今ひとときの安らぎに
離してくれるなと抱き締めた



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