天使の日 [ 3/14 ]
私の周りには天使がたくさんいるわ。
少年探偵団の子たち。
彼らはいつも一所懸命で、諦めたりしない心の強い子。
そんな彼らに出会って、私は最初彼らを避けていた。
彼らを汚してしまうんじゃないか…
それだけがこわかった。
「彼らは…私の心の闇を知ったらどう思うのかしらね。」
もう一人、天使のような眩しい人。
工藤くんの彼女。
私には眩しいくらい、心の澄んだ人。
私なんかと違って工藤くんにはよくお似合いだと思った。
私はまた、彼女を避けた。
私の心で接すれば、彼女の心まで汚してしまうのではないかと思って。
それでもなお、彼女は私を気にかけてくれる。
彼女なら私の心を浄化してくれるかもしれない。
そんな希望が胸の中に芽生え始めて…
「それでも駄目」
何度も自分に言い聞かせた。
でも…逃げるのはもうやめよう。
少しずつでも向き合っていかなければ…
彼女の心を汚さないように、十分に距離を取って。
「…蘭さん」
私が彼女の名前を呼んだとき、彼女は嬉しそうな顔をして私に微笑んでくれた。
「初めて名前、呼んでくれたね。哀ちゃん」
天使のようなその笑顔で。
2012/10/04
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