今日、花が咲いたよ。
…真っ赤な血の花が―
「もう少し、君と一緒に居たかったな―…」
君の笑顔が見たかった。
君との思い出も、君の声も…
全部忘れないからね。
「でも…っ…うぐっ…少しは、君を守ることが…できたかな?」
真っ赤な血の花は
真っ赤な血の海へとかわっていく。
「げほっ…ぐっ…うぐっ…」
胸に刺さった刀が
咳をする度に痛みを増していく。
「ねぇ…君は僕のあとを追おうなんて、そんな馬鹿なことは考えちゃ駄目だからね…」
「沖田さんっ!」
「愛してる…ずっと…愛してた。…そして、これからも…ずっと―…」
全身の力が入らない。
君の顔もぼやけていく。
「沖田さ―んっ!」
遠くで君の声が聞こえたよ。
返事をしてあげられなくて…ごめんね。
でも、最後にちゃんと言えてよかったよ。
―『愛してる』。
2012/04/01
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