ガッシャーン!
パリィン!





お皿が割れる音が、キッチンにまで聞こえてくる。





「おぉお〜!今日のお皿は元気いっぱいです!山田の手からすぐ逃げようとしますっ!」





「山田ぁ!今日、何枚目だと思ってるんだ!」




「え?3枚目です!昨日よりまだ、1枚少ないですよっ!!山田、えらい」






山田さんにしてみれば、『まだ3枚しか』割ってないってことなんだろう。
確かにいつもの山田さんから比べれば今日は少ない方なんだけれど。




まぁ、だからってお皿を割って「まだ3枚しか割ってないね」なんて褒めてあげるのもおかしいんだけどね。






「……何がえらいだああ〜っ!!」





「……」





今日も、いつもと同じ。
見慣れた風景に、聞きなれた言葉。


少なくても1日に3回は聞こえてくるお皿の割れる音と、山田さんを叱る小鳥遊くんの声。






そして、そろそろ彼女が俺の元へやってくる頃だ。




(……ん、あれ?まだ来ない。)







「だから山田は……ガミガミ…」





あらら、今日のお説教は長めだね。





「やま…やまやまだ……うぅ〜…ひっく……うえぇぇ〜ん」



(あぁ……泣いちゃった)





パタパタと、彼女が走ってくる足音が近づく。

これはきっと、30分は泣き止んでくれないだろうな。






「……仕方ないな、」





山田さんが抱きついてきたら『よしよし』って頭を撫でて、なぐさめてあげようか。






2013/07/17


 




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -