幼い頃から幼馴染みの家にはよく行ってた。
おじちゃんと、おばちゃんとも仲が良かった。
二人はいつも家族のように迎えてくれたし、平次が居ない日は
あがらせてもらって部屋で待ってた。
いつからやったんやろ?
平次の家の「合鍵」を渡されたのは―…
アタシの手には平次の家の合鍵。
おじちゃんとおばちゃんはアタシのお父ちゃんとお母ちゃんと一緒に旅行に行ってる。
アタシはその鍵でドアを開けた。
「ただいま。」でも「おじゃまします。」でもない…
自分の家のようだけれど、自分の家じゃない。
「今日も来たで?」と玄関で言って、平次の家にアタシは入った。
そしたら「おう、早う上がってこい。」って二階から平次の声が聞こえた。
平次の周りには女の子が居る。
それも…たくさん。
アタシやって平次の周りにそうやって女の子が居ると悔しいわ…
でも…ごめんな?
アンタらよりもアタシの方が、平次に近いんはどうしても譲れんなぁ。
やから少しくらい我慢すんねん。
アタシと平次は家の鍵を二つ持ってて、帰る家が二つあんねんから―…
「今行くから待っててぇな〜!」
平次の部屋に自由に出入り出来るんは幼馴染みの特権やねん。
※あとがき
和葉ちゃんの一人語りでした。
和葉ちゃんが合鍵を持っているなら
平次も勿論、和葉ちゃんの家の合鍵を持っているでしょうね。
いつも平次の周りには群がる女の子達!
…そりゃあ、和葉ちゃんも悔しいです。寂しいです…
でも、二人には自分の家とお互いの家と…帰る場所が二つあるんです。
だから我慢強い和葉ちゃん。
2011/12/03