毎日は平和 Short | ナノ
かずは
「和葉、」
そう呼べば「何?」と返事が返ってきて、
一緒に居てもらいたいときは必ずそこに居る。
「お前ら本当に付き合ってないん?」
「アホ当たり前や!」
「そやったら…なぁ服部、お前にとって遠山って何やねん」
今日、学校で男友達にそんなこと言われてすぐさま「子分や!」って答えてもうた。
いつもいつもそうやって逃げてきてる。
分からへんのや、俺も。
考えても、考えても答えは見つからなくて。
子分…とはちゃうねん。
ホンマは子分とか思ってへんねん。
和葉は俺のお姉さんみたいなモンや言うてるけど。
それも…俺にとってはちゃう気がする。
俺にとって、和葉ってなんなんやろ。
そんなこと考えてたらなんやアホらしくなって。
もっと簡単に考えればええことに気付いた。
「 和葉」
呼べば俺の前を歩いている和葉は振り返って。
「ん?」
「お前は…『和葉』や」
「なに言うてるん?」
「せやから和葉は和葉やねん」
「意味分からへん」
『友達』『仲間』『クラスメイト』『家族』というカテゴリーがあるように
俺にとって和葉は『和葉』っていう一つの枠があんねん、きっと。
2012/12/08