毎日は平和 Short | ナノ
俺のモン



「なぁ、服部。」

昼休み、俺が弁当を食っているとクラスの男共が話しかけてきよった。


「なんや?」

俺は弁当を食いながら返事をする。

「それ作ってくれたん、遠山なんやろ?」

「せやで。」

俺が肯定すると、周りにいた男共は「ええなぁ…羨ましい。」と
弁当ん中を覗き込んできた。

「少しだけでええから、くれ!」
「頼む!!」と言う声を無視して食い続ける。


すると、今度は女子らが混ざってきた。

「『お前らにはやらん。』ってさ。」

俺の真似をしているのか、頑張って低い声を出している女子。

「和葉ぁ〜愛されとるんやね〜」

誰かが和葉にそう言っとった。

俺が和葉の方を見ると、和葉は顔を赤くしていた。
そして俺と目が合うと、目を逸す。


「そうや。お前らにはやらん。和葉は俺のもんや。」

そう言うと、「うわぁ!高校生探偵も、彼女には甘いんやなぁ!」
「『俺のもん』やって〜」と色々とうるさいから「なんや、悪いかい!!」と言ってやった。


だって、『和葉が作ってくれた弁当は俺のもん』…やろ?





※あとがき

平次が考えていたのは、和葉が作った弁当のこと。
平次の頭ん中では「和葉は俺のもん」ではなく「和葉の作った弁当は俺のもん」ということでしょう。
平次が学校なんて公衆の面前で、こないなキザな台詞吐けるかっちゅーねん!(笑



2012/08/16