毎日は平和 Short | ナノ
Too … much .
―「平次、今日はどこ行くん?」
―「今日は誰と遊ぶん?」
―「アタシも行ってもええ?」
「…スマン和葉。俺ら距離置いたほうがええと思う」
アタシは今日、平次にそう言われた。
やっと想いが通じ合ってようやく平次と一緒に暮らし始めて…
そんな幸せがいつまでも続くもんやとそう思ってた―…
「え?…―」
アタシは何も言えへんかった。
―『大丈夫やって、女は居らん。男だけで遊んでくるだけや。』
最初のうちは平次もそう言ってちゃんと説明してくれとった。
けど…最近は違った。
アタシが聞いても『気にすんな』の一点張り。
ようやく分かったわ…平次。
アタシ、平次んこと縛ってたんやなぁ…
平次から自由奪って自分だけ安心して―…
駄目な彼女やったんやね…
言われて初めて気づくなんて―…
幼馴染みやった時の方が、ちゃんと平次のことを考えとったかもしれへんね。
アタシの気持ちばかりを押し付けて…
ほんまごめん。
重かったんやんな…
平次は嫌な顔一つせずにアタシのこと受け入れてくれようとしてたんやね…
それなんにアタシ、平次の気持ちに気づいてあげられへんかった…
「距離…置こか。」
アタシの目を見てそう言った平次に…アタシは小さく頷いた。
「―…うん。」
ごめんね…平次。
※あとがき
自分の気持ちを伝えたいと思っても、それが相手にとって重かったり…苦痛になっていたとしたら嫌ですよね…それが、自分の一番想っている人なら尚更に。
不安になるとどうしても人はそれを縛り付けたくなってしまう。
自分から逃げられないように、自分のものにしてしまいたくなる…
管理人の流祈夜も…そんな弱い人間だったりするかもしれません。
相手のことを考えてあげられるような、そんな人になりたいと強く思います。