「私のことなんか放っておいてちょうだい」
そう言ったら、あの子達に怒られた。
「なに言ってるんですか、灰原さん!」
「そうだよ、哀ちゃん。」
「そうだぞ!」
何故怒られたのか分からなくて、「何故あなた達が怒るの?」って聞いた。
「哀ちゃんと私たちは友達でしょ?」
理由はあまりにも単純で。
あの子達は私を友達だと言ってくれる。
こんな私を受け入れてくれる。
「友達…そうね、ありがとう。」
「当たり前ですよ!」
「ほら〜行くぞ!遅れちまうだろ?仮面ヤイバーのショー!!」
「そうですね!行きましょう!!」
でもやっぱりこの子達は幼くて。
考えることは子供だけれど…
子供だからこそ、自分の気持ちに正直にいられる。
そんなこの子達を羨ましく思う。
「行こう、哀ちゃん。」
差し出された手を取ることなく、断る。
「分かったわ、私は江戸川くんと一緒にあとから…」
「いいから、コナンくんも行くよ!」
「えっ?…あ、あぁ!行くぜ灰原!」
「…分かったわよ、わぁっ!」
強引に手を引かれて久しぶりに走った。
「ちょっ、ちょっと!江戸川くん!」
それでもあなたは私の手を強引にでも取って、導いてくれる。
「たまにはこんなふうに走るのもいいだろ。
研究ばっかりしてると腰のまがったおばあさんになっちまうぜ」
私をからかっている彼は楽しそうに走る。
「…ばかね」
太陽に照らされた昼の道を堂々と走って行ける彼らに続いて、私も走った。
2012/07/21