小学校の帰り道、私は工藤くんを含めた少年探偵団の子達と
一緒に帰っていた。
私と工藤くんは三人の子供達の後ろを少し離れながら
いつものように歩く。
「江戸川くん、江戸川くん?」
遠くを見つめていた工藤くんに声をかけた。
「あ?あぁ灰原か。なんだ?」
工藤くんは私の方を向きながらも、視線は私と合わなかった。
また蘭さんのことを考えていたのね。
「また、愛しの彼女さんのことでも考えてたのかしらと思って。」
私は嫌味っぽく言う。
「バーロー!べっ、別に…そんなんじゃねーよ!」
そうやってムキになって言い返すから
すぐにバレるのよ。
ポーカーフェイスが得意なんじゃないの?
それなら、私にも分からないようにしなさいよ…
今のあなたのことを本当に理解しているのは私だけなのに
今、こうやって一緒にいるのは私なのに…
彼は彼女をことを考える。
「 Your heart is hers . 」
あなたの心が私に向くことはない。
あとがき。
※切ない…哀ちゃんの片思いでした。
『 like or …love? 』のあと。
自分の気持ちに気づいた哀ちゃんです。
近くにいるからこそ、コナンの考えていることが分かる。
それは特別なことなのかも知れません。
でも、自分の好きな人が他の人のことを考えているなんてことは
知りたくないですよね…
考えたくもない…
『嘘』や『偽り』と分かっていても、
せめてポーカーフェイスを守って欲しかった哀ちゃんでした。
2011/10/26