今日も天気は快青です | ナノ

 『 告白 』



目覚めの悪い朝だった。

昨日も夜遅くまで考えていたし、結局寝ていたのか、起きてぼーっと考えていたのかすら分からない。

昨日の疲れがとれているところをみると、浅い眠りを何回か繰り返していたのだろう。
頭と心のわだかまりは何も変わってはいないが。



朝早く高校へ着く。
まだ、誰もいないであろう教室に向かうと一人の人影があった。


「……」

その人影の正体が分かった俺は足が止まる。
教室に入ることを戸惑い、家へ引き返そうとすらしていた。



「…快斗?」


その声が俺の足を引きとめる。
ここで逃げてしまったらいけないと自分に言い聞かせ、普段どおりを装って青子の顔を見た。



「早いな、青子」

「……」


青子からの返事がない。
今の俺の真っ黒い心が顔に出てしまったのだろうか。



「あの…さ、―」


俺が口を開くと、先に青子が言った。



「青子…待ってる。快斗がちゃんと話してくれるまで、待ってるよ?」



おこちゃまだと思っていた幼馴染みは、俺が思っているよりずっと大人になっていた。


「待ってても…いい?」


青子のことを苦しめてしまうかもしれないけれど…
それでもいいって真剣な目で俺を真っ直ぐ見つめるから。


「あぁ、頼む…待っててくれ」


最後に待っているのがハッピーエンドだなんて絶対にない。
だから…

身勝手を叶えてくれるなら、話せる日なんて永遠に来ないでくれ。


ごめんな、青子……

嘘ついて。


待っててなんて欲しくない。
それがお前のことを傷つけるって分かってるから。



でもアイツはきっといつまでも待ってる。
俺の口から告げられる、その日が来るまで。



「待ってる―」




その四文字が俺の心に重く圧し掛かった。


2013/05/04



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