◎ 『 BLACK&WHITE 』
「……っ―…」
言葉に出来ない苛立ちが頭と心の両方を支配していた。
真っ白なキッドのスーツとは裏腹に、俺の心は真っ暗闇で。
―「…知ってたんだね」
何回も頭の中で繰り返される青子の言葉。
そして、悲しそうな表情。
今までも考えたことはあった。
青子に対する罪悪感は無かったわけではない。
ただ、自分に都合の悪いことを全て後回しにしてきただけだ。
今回はそのツケが回ってきただけ。
「なにやってんだよ、俺…」
明日だって高校がある。
でも、もう俺には青子に会う資格なんてない。
どんな顔して会えばいい?
何食わぬ顔して、いつもみたいにふざけていればいい?
「快斗坊ちゃま…明日は必ず学校に行って下さいませ」
「……」
じいやは俺のミスを知った上でそう言った。
逃げてはいけないと。
苦しい現実を突きつけられた気がした。
2013/01/24
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