今日も天気は快青です | ナノ
 『苦手なもの』

俺は放課後の教室で青子が来るのを待っていた。

教室には誰もいない。


グラウンドで部活をやっているのを見ながらふと考えた。


「そういや、青子は虫が嫌いだって言ってたな…」


この間、蜘蛛をみつけた青子が俺の後ろに隠れて
キャーキャー言ってたことを思いだしたからだ。


「青子にも苦手なものとかあるんだな…」


そう言って、俺は考える。

俺には苦手なものとかあったっけ?
いや、俺はおこちゃま青子とは違って苦手なものなんかないはずだ。


待てよ―…?


―青子の父親の中森警部は?


「いや…苦手というよりも邪魔だな。はは…」


中森警部の鬼の形相が思い浮かび、俺は笑う。


―そうだ、アイツは?高校生探偵の工藤新一。


「工藤新一…あれは厄介だな。」

でも、苦手な訳じゃない。



ほら、俺には苦手なものなんかないじゃないか。

黒羽快斗様は苦手なものなんかない!!



そう思っていると、後ろから声がした。


「…快斗」

「ん?ようやく来たか。待ったぞ〜!!」


最初は勢いよく言った俺だが、後ろを振り返って
言葉が自然に止まった。

「…青子?」

「―ぐすっ……っ…快斗…」

そこには涙を流した青子が立っていた。



ごめんなさい。
前言撤回させて下さい…


さっき言ってたこと全部撤回。


俺にもありました。苦手なもの。


俺の苦手なものは―…『青子の涙』です。





あとがき


※なんだか、ベタな感じで終わってしまいましたが…
快斗が自問自答している何ともシュールな…

かっこいい快斗が好きな人はすいません…

いや、でも…コナンに出てくる男陣は
幼馴染みの涙だけは弱いんじゃないでしょうか?

2011/10/31



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