体育の授業が終わり、みんな教室へと戻っていく。
今日の男子の体育はバスケだった。
高校生にもなれば男子はみんな背がぐんと高くなる。その中に一人、身長の小さな彼がいた。
彼は自分よりもずっと大きな友達にまざってボールを追いかけている。
点数は18対18。
「夏樹!シュート!」
試合残り10秒の時、葉乃くんにボールがパスされた。真剣な顔してボールをうけとった葉乃くんはドリブルをしてそのままシュート!
ピーっ!
試合終了のホイッスルと同時にネットが揺れた。
…相手チームの。
身長の小さい彼はシュートをうつその瞬間に身長の大きな相手チームにボールをとられてしまった。
「…ありがとうございました。」
悔しそうに言う葉乃くんに、いちご牛乳を渡した。
「おつかれ。」
汗をタオルで拭きながら私の渡したいちご牛乳を手に持ち、みつめてる。
「このいちご牛乳はなんだ?」
不思議そうな彼に「だって似合うから。」って言ったら彼は困ったような顔して「お前の方が似合うだろ」って言った。
お題配布元『確かに恋だった』様
2012/01/14