高校二年の春、私は小さな男の子に出逢った。
彼の名前は『 葉乃 夏樹 』。
…と言っても彼は私と同じ高校二年。
初めて会った時は、中学生かと思ったけど。
「あ…。」
休み時間になり、ジュースを買うため自動販売機がある中庭に来た私。
そこには背の小さな彼がいた。
「葉乃くんも買いに来たの?」
「まぁ、コーヒー飲みたくなって。」
身長が小さくて可愛いのに、こういうところは大人なんだよね。
「私はコーヒー飲めないな」っていったら「子供だな」って言われた。
「身長で言えば葉乃くんのほうが子供に見られるよ。」なんていい返さなかったけど。
上を見上げているなと思っていたら、コーヒーがあるのは一番上の段。
「…もしかして届かない?」
そう言ったら「はぁ?届くよ!届くに決まってんだろ?!」って言った。
…怒らせちゃったみたい。
お目当てのコーヒーを手に入れるため、少し背伸びしてボタンを押してた。
「可愛いなぁ…」
ふと出た本音。
すると葉乃くんはさっと私の方を振り返って言った。
「俺のどこが可愛いんだよ」
そう言った彼は私を見上げてて、そんな姿さえ可愛いと思ってしまった。
お題配布元「確かに恋だった」様
2012/01/07