「なんでそんなに怒るの?」
「…ついて来んな」
一人で学校から帰ることなんていつものことなのに。
確かに昨日は暗かったけど、ちょっと遅くなっただけ。
それなのに、ここまで怒られなきゃならないの?
「ねぇ、待って!」
彼の名前を呼ぶ。
彼は止まり、わたしのほうを向いた。
向かい合わせになった彼の顔を見ようと上を見上げたとき、彼の顔がすぐ目の前にあった。
「ったく―…心配かけんな」
そして、そのまま口を塞がれた。
抱きしめられて身動きがとれない上に、いきなりのキスで息が苦しい。
「―…んっ―…」
彼の背中を叩くと、ずっと塞がれていた唇から彼が離れた。
彼はわたしの目をじっと見つめる。
「お前に惚れてるからにきまってんじゃん」
そんな整った顔で、そんな真剣な目で
そう言われたら動けなくなるよ。
「それに―…
お前だって俺に惚れてんだろ?」
そう聞かれてコクンと頭を上下に振った。
「素直だな。」
そうやってふわっと笑う彼の笑顔が好きで。
「付き合いたての頃、つめたくして悪かった…
実は、誕生日に間に合うように真稀に似合うネックレス探してた。
お前には関係ないとか言ってごめんな」
この間の誕生日に貰ったネックレスは、今も首にかけている。
「つけてくれてんだな、それ」
そういう彼の携帯にも、それはついていて。
「…似合ってるよ、ネックレス」
わたしは嬉しくて、彼に抱きついた。
「おっ…おい、ふざけんな…///」
怒らせてしまったのかと彼の顔を見ると、彼は顔を赤くしていて。
「今までつめたくしてたのは…真稀のこと傷つけたくなかったから」
彼に抱きしめられて、耳元で囁かれる。
「一人で悩んでた俺が馬鹿みたいじゃん」
「んっ―…」
そうやってまたキスをされて。
「好きだよ」って目を見て「もう、絶対に心配かけんなよ」って彼から言われた。
「…俺の家、来る?」
「いいの?」
「今日、誰も家にいないけど。それでいいなら?」
そう言ってにやっと笑う。
やっぱり彼は少し意地悪で…
でも、とても優しくて。
…最近分かりました。
わたしの彼はツンデレでした。
お題配布元『確かに恋だった』様
2012/07/15