last up 2013/09/09


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○好きだよと言っても冗談にしかならない
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久しぶりに入った紗枝の部屋で二人。



「俺、紗枝のこと好きだよ。」


そう言ったら紗枝が俺の方を向いて笑った。


「なに?今更。わたしも智祐のこと好きだよ。」


それはあまりにも自然で、その自然さが妙に悲しくて…

「…さんきゅ。」


「いきなりそんなこと言っちゃってへんなの〜」


紗枝は何もなかったかのように、また雑誌のページをめくっている。




俺の『好き』は偽りなんかじゃないのに君の瞳には偽りとして映る





春が近づいていることを知らせるように、開けていた窓から風が入ってきた。
桜の花もそろそろ咲くのかななんて、ふと思ったりして。


「…桜、咲いたら見に行こうか」

「いいね。だれ誘う?」


君には、俺と二人って考えは最初からないんだね。

そんなこと考えたら何だか…
難しく考えている自分が馬鹿らしくなった。



「二人で行く?」


そう言ってみたら「いいよ」って返事が返ってきた。



「…やっぱり好きだよ、君のこと」










お題配布元『確かに恋だった』様


2012/03/10


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