「和駿さん、お久しぶりですね。」
「久しぶり、紗枝ちゃん可愛くなったね。」
「そんなぁ〜照れるじゃないですか///」
君が楽しそうに兄貴と話しているのを見た。
みたくもないのにその場から足が動かなくて
笑顔の君から目が離せなくて…
君の笑顔が兄貴に向けられていることが許せなかった。
幼馴染みの俺にはどうすることもできなくて、
俺が二人を邪魔する権利なんてない。
「そんなところにいないでお前もこっち来いよ」
兄貴と目があった。
どうして俺なんかに気づくんだろう。
「あ、智祐?」
君だってほら、俺なんかより兄貴と話していたいはずなのに
なんで俺を呼ぶんだよ。
「……。」
俺は黙ってその場を立ち去った。
それでも…
君から逃げることは出来ないし
君から離れることは出来ない。
でも…俺のこの恋は叶わない。
片思いという魔法はあまりにも残酷で。
お題配布元『確かに恋だった』様
2012/03/02