last up 2013/09/09


↑new↓old




○ただの幼馴染みだよなんて言い飽きてる
prev next
しおりを挟む




『お前ら本当に仲いいよな。本当は付き合ってんじゃねぇの?』


小学生の高学年くらいから、そう言われるようになった。



俺は男で、紗枝は女。
そんなことを気にし始めたのは多分、小学生の高学年。


「違うよ。俺とこいつはただの幼馴染みだって。」


俺が紗枝のことを好きだって自覚したのはもっと後。
「うん、紗枝のこと好きだけど?」なんて急に態度を変えることなんてできなかった。



中学生に入り、友達の目を気にして「紗枝」って呼ぶのをやめたこともあった。
「小林」って呼んでみた。

「智祐が遠くに行った気がするから、その呼び方やめて。」って涙をためて紗枝が言った。
俺も同じ気持ちだった。



こんなに近くにいるのに、紗枝がすごく遠くに感じた。

手をのばせば、名前を呼べば君はすぐそこにいる。
そう知ってしまった俺。


それが『辛い』としか思えなくなってしまった俺はどうしたらいい?



 * * *



「紗枝、俺の弁当ある?」

「持って来たよ、はい。」


同じ高校に入った俺達は、また同じことを言われるんだ。


「本当に仲いいよね、二人は付き合ってるの?」



『ただの幼馴染み』だなんて何回言ってきただろう。

俺と紗枝は『ただの幼馴染み』でしかないのか?


「…幼馴染みだよ。」


自分で言って、苦しくなった。




我が儘だなんて分かってる。

でも…


君の…もっと近い存在になりたい。









お題配布元『確かに恋だった』様



2012/02/05


17/29ページ
戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -