次の日の帰り
高木君が声をかけてきた。
「佐藤さん。」
「なに?」
「このあと、飯でも行きません?」
「いいわね。高木君の奢りで?」
「佐藤さーん。割り勘でお願いします…」
「男らしくない!そのくらい男らしく奢りなさいよ。」
「今月はピンチなので…」
自分から誘っておいて奢れないなんて
そういうところが高木君らしい。
「分かったわ。今日は私が出してあげるか…」
「佐藤さん。迎えに来ました。」
白鳥君だった。
「あ…」
白鳥君との約束を忘れていた私。
白鳥君の顔を見てようやく思い出した。
「…もしかして先約入ってました?」
高木君は私の顔を見る。
「白鳥君と会う約束をしてたの…忘れてたわ。」
「じゃあ…仕方ないすね。」
「ごめんなさい…」
「気にしないで下さい。じゃあ…僕は先に上がらせていただきます。」
「あ…うん。また明日ね」
私は急いで白鳥君との待ち合わせ場所に向かった。
後ろから高木君がついてきてることを知らずに。
2013/03/14