04

携帯を開き、画面を見つめる。


『白鳥くん』

携帯に登録されたその番号にかけることに決めた。


こんなことを聞いてもらえるのは、きっと白鳥くんくらいだろう。

そう思ったからだ。


……ピッ。


プルルルル…
プルルルル…


…ガチャ。


「もしもし?」

「もしもし。佐藤よ。夜遅くにごめんなさい。」


「佐藤さんからの電話なんて珍しい。」

「あの…相談があって…」

「僕で役に立てるなら聞きますよ。」

「本当?ありがとう。実は高木くんのことで…」

「高木くん?…はい。」






私は高木君の移動について白鳥君に話した。



「えっ、彼がなぜ?」



「私も分からないのよ。」



「だけど、佐藤さんがその件について彼に伝えることは、少し厳しいな。
佐藤さんもツラいと思うけど、高木君が一番ツラい思いをするはずだ。」



「うん…。」



「そんな落ち込まないで下さい。
電話で話すのはなんですから、明日の仕事の終わりにでも一緒に話しませんか?」



私は一瞬迷った。


だけど、いつまでも悩んでてもダメだし、これは誰かに相談する事が良いと思い
彼と会う約束をした。





2013/03/14


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