携帯を開き、画面を見つめる。
『白鳥くん』
携帯に登録されたその番号にかけることに決めた。
こんなことを聞いてもらえるのは、きっと白鳥くんくらいだろう。
そう思ったからだ。
……ピッ。
プルルルル…
プルルルル…
…ガチャ。
「もしもし?」
「もしもし。佐藤よ。夜遅くにごめんなさい。」
「佐藤さんからの電話なんて珍しい。」
「あの…相談があって…」
「僕で役に立てるなら聞きますよ。」
「本当?ありがとう。実は高木くんのことで…」
「高木くん?…はい。」
私は高木君の移動について白鳥君に話した。
「えっ、彼がなぜ?」
「私も分からないのよ。」
「だけど、佐藤さんがその件について彼に伝えることは、少し厳しいな。
佐藤さんもツラいと思うけど、高木君が一番ツラい思いをするはずだ。」
「うん…。」
「そんな落ち込まないで下さい。
電話で話すのはなんですから、明日の仕事の終わりにでも一緒に話しませんか?」
私は一瞬迷った。
だけど、いつまでも悩んでてもダメだし、これは誰かに相談する事が良いと思い
彼と会う約束をした。
2013/03/14
bkm