加藤が行った後、僕は頭を冷やすために公園の近くを散歩することにした。
白鳥さんと佐藤さんが一緒にいるのを見た時は、感情を抑えきれず佐藤さんにあたってしまった。
佐藤さんが浮気なんかするはずないのに…
許してもらえるか分からないけど明日あったら真っ先に謝ろう。
帰ろうとした時、屋台のラーメン屋が目に止まる。
走ったからお腹もすいてたしラッキーだと思った。
ポケットの中身の小銭があるか確認し屋台に近づくと聞き慣れた声がする。
「ねぇ、聞いて〜よ〜。」
ん?
この声は佐藤さん!?
「どうしたんだい。お姉ちゃん。」
「や〜だぁ!お姉ちゃんなんて!褒めてもなにも出てこないわよ〜」
ラーメン屋のおじさんと喋っているのだろうか喋り声が聞こえる。
しかしその声はろれつが回っていない。
また飲んでいるのだろうか…?
休みの日だとはいえこんな昼間から飲むなんて…
「さっき〜加藤ってやつと会ってたんだけどね〜?
失礼しちゃうのよ〜?
この私にキスしようとしたのよ〜!」
「あぁ、あぁ。話は聞いてやるから!
酔っ払ってるんだから、もうビールはこの辺でやめときな!」
ラーメン屋のおじさんも佐藤さんがお酒に弱いことを知っているからやめるよう促す。
「うぅーん…キスされ…」
「…?」
急に静かになったと思ったら今度はおじさんの声がした。
「おいおい。こんなところで寝られると困るぞー?お姉ちゃん!」
「うぅーん…」
僕はラーメン屋の屋台に入った。
「佐藤さん、潰れちゃったんですか?」
「おぉ!高木君!いいところに来てくれたねぇ。
そうなんだよ、今さっき潰れちゃってね…
家まで送ってやってくれないかい?」
「あ…はい。」
2013/04/02