13
僕はなんとか公園につき、入り口で息を整える。

公園の中を見回しても佐藤さんと加藤の姿は見あたらなかった。


もしかして…ホテルとか…

僕は急いで公園に入り2人の姿を探した。



ドサッー



僕は何かにつまづき勢いよく転んでしまった。



「なんだよ。こんな所に荷物を置いとくのは」



僕は怒りがこみ上げてきて意味もなくその荷物に蹴りをいれた。
が、よく見てみるとどこかで見覚えがあるような……


恐る恐る近づいて確かめてみると
加藤だった。


加藤はどうやら気絶しているようだ。



「誰がこんなことを…?」


あまり良く思っていない加藤のことなどどうでもいいと思った。
だが、僕も警察の人間としてこのまま放置しておくことも出来ない。



「お、おい。加藤、大丈夫か?」



加藤のことは好きではないが…

こんなところに警察が荷物のように倒れているのは、問題だ。
だから僕は仕方なく声をかけた。



「…う、うう―」


僕の声に気がついた加藤は目を見開いた。



「さ…佐藤さんがあんなに狂暴だとは思わなかった」



そう言う加藤の右頬に
赤い手形がある。


(佐藤さんらしいな。)


そんなことを考えていると加藤は僕を睨み、こう続けた。



「でも、まぁ…君に負けるつもりは全くないからな。佐藤さんは絶対に俺が落とす」


「佐藤さんはお前みたいな奴に近づくような人じゃないんだ!」


僕は加藤に言ってやった。


「…それはどうかな?だったら何で今日、俺に会いにきたんだろうな?」


「…っ。それは…」



その言葉に何も言い返すことが出来なかった僕を加藤はニヤリと笑った。



「すぐに佐藤さんと高木さんを離してやりますから楽しみにしてて下さいよ。」



加藤は嫌味っぽく言うと公園を去っていった。




2013/03/27


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bkm
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