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正直、行こうか迷う。


もし親密な関係だったらどうしよう。
仲良くしてるところを見たくない。
…帰ろう。
帰って酒を飲んで嫌なことなんかわすれてしまおう。


僕は白鳥警部からもらった珈琲を一気に飲み干しゴミ箱に入れた。



すると話し声が聞こえた。


僕はとっさに自販機の横に隠れた。
声の主は加藤と仲の良い友人達だった。



「なぁなぁ、アイツ今日、佐藤刑事と会えるらしいぜ。」

「マジで!!うらやましい〜。」


あいつらは僕には気づいてないらしい。


「でもさぁ、加藤もよくやるよな。高木刑事を左遷させるなんてやっぱりボンボンのすることは理解にかけるぜ」


「分かる、分かる。俺も金持ちだったらよかったぜ。」



左遷!?
なんの話だ。
僕は動揺を隠しながら話を聞いた。



「佐藤刑事、大丈夫か?今頃、ホテルにつれこまれてるんじゃねぇか?」


「あー、加藤のやつならありそうだな。」


「佐藤刑事なんて羨ましいな、加藤は。」


「あれ?でもさ高木刑事って、まだ本庁にいるよな?俺、この間見たんだ。」



「そうなのか?それより、高木刑事は左遷のこと知ってるのか?」



「俺が会った時は嬉しそうに笑ってたぞ。」

「じゃあ、知らないのか?こんなこと高木刑事本人に聞かれたらまずいぞ!」


「そうだな。」


加藤の友人達は缶ジュースを買うと、足早に帰っていった。



「…ホテル?僕が…左遷…」


加藤の友人達が話していた言葉が残る。


僕の左遷のことは気になったけれどそれよりも佐藤さんのことが心配で、いてもたってもいられなくなった僕は白鳥警部が教えてくれた公園へと向かっていた。




2013/03/25


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