約束 | ナノ


 12



灰原がジンの元へ行くことを確認してから、俺は子分の奴らを片付けに向かった―。



「アニキ達は中で何をやってるんすかね?」

「そんなこと俺らが知る必要もねぇよ。」

「まぁそうだな。」


子分達の会話が聞こえる。


(麻酔銃は残しておきたいからな…よし、あのドラム缶を使って―…)



「ねぇお兄さん達?」

「なんだこのガキ!!」


「…ちょっと寝ててくれない?」


ガラガラガラ―!!!


「っ―…?わっ―…わぁー!!」


俺は思ったより早く子分を片付けることが出来た。

ドラム缶の下敷きにした子分達はのびて気を失っている。




そして、足早に灰原の元へと向かう。
…が。


ジン達の近くで潜んでいる時、傍にあったドラム缶に足が当たってしまった。


ガタっ―…!!

金属音が響く。





「…っ?!」
(聞こえちまったか?)


一気に心臓が速く動く。


少し経つとジンの声が聞こえた。



「あの生意気なガキを捕まえろ」



…!!

(やべっ!!)



―俺はジンに気づかれてしまった。


ジンの指示でウォッカが追いかけてくる。
だが、灰原をこのまま一人にすることは出来ない。


拳銃を突きつけられていたのを見てしまったから―。




2012/11/10




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