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灰原がジンの元へ行くことを確認してから、俺は子分の奴らを片付けに向かった―。
「アニキ達は中で何をやってるんすかね?」
「そんなこと俺らが知る必要もねぇよ。」
「まぁそうだな。」
子分達の会話が聞こえる。
(麻酔銃は残しておきたいからな…よし、あのドラム缶を使って―…)
「ねぇお兄さん達?」
「なんだこのガキ!!」
「…ちょっと寝ててくれない?」
ガラガラガラ―!!!
「っ―…?わっ―…わぁー!!」
俺は思ったより早く子分を片付けることが出来た。
ドラム缶の下敷きにした子分達はのびて気を失っている。
そして、足早に灰原の元へと向かう。
…が。
ジン達の近くで潜んでいる時、傍にあったドラム缶に足が当たってしまった。
ガタっ―…!!
金属音が響く。
「…っ?!」
(聞こえちまったか?)
一気に心臓が速く動く。
少し経つとジンの声が聞こえた。
「あの生意気なガキを捕まえろ」
…!!
(やべっ!!)
―俺はジンに気づかれてしまった。
ジンの指示でウォッカが追いかけてくる。
だが、灰原をこのまま一人にすることは出来ない。
拳銃を突きつけられていたのを見てしまったから―。
2012/11/10