Memo
Fri



「なぁ、平次?」と前を歩く幼馴染みに声をかける。

「なんや、疲れたんか」

「いや…そういうことちゃうて」

「ほんならなんや」


いささか機嫌が悪いのか、返ってくる声が普段より刺々しい。



「…迷ってへん?」

「あ゛?」


やっぱり怒ってる…
せやって「あ」に濁点ついてるもん。


「もう一辺言ってみぃ」

「せやから迷ってるんとちゃうのん?」


「迷ってへんわ、ボケぇ!!俺が信じられへんのか!」

「そうやないけど…」

「なんや?」

「アタシには…さっきから同じ所、通ってるように思えてん」


「…うっ……だっ…!!黙っとけ!!
お前は俺に黙ってついて来ればええんや!!」


「…うん…。」






―5分後―





「な…なぁ平次?ここって…さっき来た所やんなぁ?」

「そ…そうみたいやな…」


「迷ってしもたん?」

「……」



「ねぇ、どうなんよ?」

「…スマン…迷った…」


「えぇっ!なんでやの?」

「…スマン…」

「なんで?「ついて来い」言うたんは平次やん!!」




「スマン言うてるやろ!!」



「なんでアタシが怒られなアカンのや!!」



「……っ、スマン…。」



そんなん謝らんといてぇや。
平次がそんなに弱気やと、アタシやって不安になってまうやんかぁ。


「せや!蘭ちゃんに電話しよ!」

「姉ちゃんにか?」

「蘭ちゃんに事情話して迷ってしもたからって迎えに来てもらえばええことやん」

「あぁ〜…そうやな」

「どうしたのん、平次?」

「いや、何でもあらへん」



(東京で迷ったとか……工藤に笑われるやろうな…)




その後、蘭が迎えに来てくれた時
コナンが一緒について来たのは言うまでもない。



END
2013/05/24 Fri 19:05



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