肉食系ラビット | ナノ
気に食わない

 


さっきから正座して説教されてんだけど…全く集中出来ねぇ。
今更鼻が当たりそうなぐらい間近にあった清隆寺の顔が頭にちらつく。
色白いし睫毛長ぇよな、あいつ。
確かに顔立ちは可愛いかもしんねぇけど真剣な目をしてたら男前だと思う。
だからドキドキするんだ。
俺、何か変だよな。
こないだからずっと変だ。
つか有り得ねぇ。だって俺が清隆寺に…


「おい……おいっ!聞いてんのかっ!」

「ひっ!きっ、聞いてませんでしたっ!」

「そうか…」

今は考えてる場合じゃなかった!
素直に答えた所為で青筋立ててるし。
落ち着けっ、頼むから指の関節鳴らすのを止めてくれっ!
さっきまで俺が座ってた椅子に足組んで見下ろしてるだけなのに迫力が凄ぇ。
このまま威圧感だけで押し潰されそうだ…!

「さっきの玉入れのアレは何だ?ふざけてんのか?」

「う…あ、あれは悪かったと思う。ちゃんと投げられなかったから…あいつらが投げてくれたら勝てたのに」

そうだよ、獅希と鷹嗣に任せたら殆ど入れてたと思う。
それなのに何で俺が投げてんだよ。
段々楽しくなって夢中になってたけど普通に勝ちを目指したらあそこはあいつらに委ねるべきだった。
そこはちゃんと反省してんのに清隆寺はまだ不満そうに見下ろしてくる。
こ、こうなったら土下座でもして詫びた方が良いのか?

「勝ち負けなんかどうでも良いんだよ」

「えっ!?」

「あ゙?何か文句あんのか?」

「無いです!」


清隆寺は勝ち負けにこだわってねぇのか?
じゃあ何であんなに不機嫌なんだよ。
他に玉を顔面に当てられるような事はしでかしてねぇよな?
説教されてる理由が分かんなくなってきて首を傾げたら溜息を吐かれた。

「テメェ、あの煩い関西弁とどういう関係だ?」

ん?
それって鷹嗣の事だよな?


 


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