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「俺が良いって言うまで目ぇ開けんじゃねぇぞ。分かったよなぁ?」
「はっ、はいっ」
もしかしてさっきのは威嚇だったのかもしんねぇ。
それなのにドキドキしちまったよ。
今も違う意味でドキドキしてるけどな。
このまま椅子ごと蹴り倒されたりするかもしんねぇ。
機嫌が悪い清隆寺ならそれぐらいする。
しっかり歯も食い縛って待っていると頬に冷たいもんを貼られた。
「うひゃっ…ちょっ、清隆寺…」
「目ぇ開けたら泣かすぞ」
何でそう怖い事をさらっと言うんだよっ!まずこの冷たいもんは何だ?
ぷにっとしてるような…なんて考えてたらその冷たいもん越しに何かが押し付けられるのを感じた。
しかも反対の手には骨張った手が触れてる。
なっ、何してんだ?全く想像出来ねぇ。
これって清隆寺の手、だよな?
本当に何してんだ?
「……おい、良いぞ」
「おう…っ!」
恐る恐る目を開けたらまた清隆寺の顔が間近にあった。
横目で頬を見たらやっぱり清隆寺の手が添えられてた。
何だ?何なんだこの展開はっ!
そんなに見るなよっ…
「う、あ…これ…清隆寺、あんがとな」
熱くなる顔を誤魔化そうと視線を泳がせてると清隆寺は冷却シートの袋を持ってる。
頬に手を伸ばしたら案の定冷却シートが貼られてる。
まさか本当に手当てしてくれるなんて優しいな。
原因はお前だけど。
「この状況で言う事がそれか」
頬に添えられてた手が離れて深々と溜息を吐いてるけど機嫌は直った…のか?
黒いオーラは見えねぇしさっきよりはましか。
よく分かんねぇけど良かった!マジで!
「まぁ良い…ああ、テメェに言いたい事があるんだよ。取り敢えず正座しろ」
「え…はい」
まさか安心した矢先に笑顔で正座をさせられるなんて。
説教、早く終わると良いな。
腹減ったー。
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mokuji]