肉食系ラビット | ナノ
病は何とやらから

 


「だ、る…」


朝起きてベッドから出ようとして寒気と同時に頭痛を感じた。
何でだ?
熱いのに肌寒い。
まさか…

「風邪、か?」

気にしたら声までしゃがれてる気がする。
まさか昨日逆上せてそのまま湯中たりしたとかか?
今までそんな事無かったのに。
ああー…。
取り敢えず着替えて学校行くか。
皆勤賞狙ってんだから休んでられねぇし。
つか風邪引くなんて小学生振りな気がする。
よし、着替えよ。


「おい」

「ひっ!」

服を脱いで着替えようとしたら声が聞こえて肩が跳ねた。
変な声を上げてしまった。
扉の方に背中向けてるから見えねぇけど絶対清隆寺キレてる。
舌打ち聞こえたし。

「今日は飯いらねぇ。適当に食っとけ」

振り向くよりも先にそれだけ言って荒々しく扉が締まる音が聞こえた。
声が昨日と同じだ。
まだ高校生活が始まって3日目なのに険悪になんの早くねぇか?
あと2年以上持つか心配だな。
もしかしたらその前に清隆寺が部屋替えろって言うかもしんねぇな。

「痛ぇ」

何か胸がジクジク痛む。
何だ?
もしかして昨日の揚げた肉の所為か…!
風邪の上に胃を潰したのか俺は。
この場合、胃薬と風邪薬どっちを飲んだら良いんだ?


「ぶぇっ……くし!!」

盛大にくしゃみして気付いたけど俺半裸じゃねぇか!
まずは早く服着て学校だ!






「はよ」

「……はよ」

教室について先に来てた獅希に挨拶を交わす。
あー、動いたら本格的にしんどくなってきた。


「汰狼、どうした?」

「え?」

何が?って聞こうと顔を上げたら眉間に寄った皺に目が行く。
獅希、将来皺になんぞ。

「……熱あるぞ」

「知ってる」

手が伸びてきて俺の額を触る。
獅希の手が冷たくて気持ち良い。

「薬は?もう帰って寝てろ」

「薬は眠くなるから飲んでねぇよ。それに皆勤賞狙ってるから帰られねぇ」

獅希が手を離して溜息吐いてる。
皆勤賞狙っても良いだろ!

「じゃあ、放課後に保健室に行くぞ」

「えー…」

俺、あの先生苦手なんだよな。
でも獅希が凄んでくるから拒否出来ねぇ。

「分かった」

「よし、あんま無理するなよ」

軽く頭を撫でるように髪を触ってから担任が来たのもあって獅希は前を向いた。
お前、人前でなんて事を…
獅希に好意を持ってる奴らの痛いぐらいの視線を感じて更に頭痛が増した。


 


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