肉食系ラビット | ナノ


 


片付けて着替えを部屋に取りに帰ってから風呂に入った。
やっぱ日本人は風呂だよな。疲れが癒される。
今度温泉の入浴剤買いに行こうか。
あー、風呂万歳!
なんてのんびりと考えてたら結構の時間入ってた。
逆上せた。
幸い、寝間着代わりに着ている服は薄いから丁度良いか。
しまった。
つい、いつもの服を選んでしまった。
薄手の服は首元が開いてるし体のラインにぴったりのサイズだ。
着ていたジャージも今は洗濯機の中で回ってる。
このまま行くしかねぇ。
襲われるとかは無いにしろまた何か言われたらどうしようか。
心臓に悪ぃ。
なんか風呂から出てから即行で疲れた。
溜息を漏らして脱衣所から出た。


「テメェ、長過ぎんだろ」

清隆寺がリビングから声を掛けてくる。
あれ?私服だ。
しかもまた髪をセットしてる。
こんな時間に出掛けんのか!?
恐る恐る手を挙げた。

「……何だよ」

「ど、何処か行くんですか?」

相変わらず手を挙げたら舌打ちしてくる。
ちゃんと手を挙げた時ぐらい舌打ちすんなよっ!


「テメェには関係ねぇ」

視線を伏せてたら低い声が聞こえて肩が跳ねる。
その間に清隆寺は部屋から出ていった。

そういや清隆寺、俺の格好を見て何にも言ってこなかった。
別に腰触らせろだの何だの言えって訳じゃねぇけど!
やっぱりからかってただけか。
俺1人焦ってたって事だよな。

『テメェには関係ねぇ』

あの時の声が頭に響く。
確かに関係ねぇけど。
声からして明らかに突き放すような言い方だった。
実は少し、少しだけ下僕って言いつつもいつかは仲良くなれるんじゃないかって思ってた。
時間がかかってでもいつかは対等な仲になれるかもって。
でもやっぱり、清隆寺の中では俺は下僕以外何の価値もねぇのか。
唯一褒められた体付きにも見向きもしなかった。
つまり俺自身に興味を示す要素がねぇ。
もう仲良くなれる可能性はねぇって事だろ。


「……寝よ」

体の熱が一気に引いてく。
何で一気にこんなにモヤモヤするんだ?
寝たら少しは気分がましになるか。
今日はもう何も考えたくねぇ。
悪い方にしか頭が働かねぇよ。


 


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