肉食系ラビット | ナノ
就寝準備

 


結局初めて食べる晩飯は仲良く楽しく…なんてなる事はなかった。
獅希が作ったとんかつを何回も美味いって言っては俺の揚げた肉を見て小言を漏らした。
俺だって一生懸命やってんだよ!
同じように作ったのに…!
清隆寺は飯を食い終わると俺が食っててもお構い無しに風呂へ行った。
小言を言われない分良いけどな。
でも、俺まだ食ってんだけど。
やっぱ俺が料理失敗したのを気付いて笑う為に一緒に食おうって言ったのか。
誘われた時、ヤバイって思った半面嬉しかったのに。

俺も食い終えて後片付けを始めた。
くそっ、明日こそ成功しないと獅希にも迷惑かかっちまう。
考えただけで溜息が出る。

「あちぃ…」

胃に痛みを感じ始めた時に小さく声が聞こえた。
清隆寺上がったのか。

「っ!!」

「…見てんじゃねぇ」

「すっすっすみません!」

声に反応して咄嗟に見たらお前ぇぇぇっ!!
冷蔵庫を漁ってる清隆寺の姿は上半身裸のジャージ姿。
同室者に少しは気を遣えよ!
俺なんか気を遣った結果ジャージのチャック一番上まで上げてんだぞっ。
しかし、チラッとしか見えなかったけど清隆寺の体凄ぇな。
あいつ生徒会だろ?
運動部の俺より均等に筋肉が付いて良い体を…って、何考えてんだ俺!

「はぁ…」

何か変態チックな事を考えちまった。
落ち着け俺。
別に男同士の恋愛云々に抵抗は無くなったけど落ち着け。
俺は何も見てない。俺は何も…

「おい、いつまでそうやってるつもりだ」

「ぎゃあっ!」

心頭滅却してる時に話し掛けてくるんじゃねぇ!
思わず声を上げた思い切り後頭部を叩かれた。

「うっせぇ!水出しっぱなしで何してんだテメェはよぉっ!」

「うぅ…すみません」

頭いってぇ。
でもお陰で雑念が…と思ったら近くに居る清隆寺はまだ半裸のままだ。

「ふ、服を着ろ!」

「あ゙ぁ?…テメェ、変な気起こしてねぇだろうな?」

「起こすかぁあっ!」

もう半狂乱で思わず叫んだら脇腹を蹴られた。
ドゴッて、ドゴッて言った脇腹が。


「俺がどんな格好で過ごそうと関係ねぇだろ。さっさと片付け終わらせろ」

「は、はい…」


口から内臓出てきそう。
もう今日はこれ以上ダメージ食らったら死ぬ。
出しっぱなしにしていた水の量を少なくしてさっさと洗い物を終わらせよう。
そして風呂に癒してもらおう。


 


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