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何か今更ドキドキしてきた。
落ち着け俺。
つか、本当に何で俺の腰触ってきたんだ?
あっ、俺初めて褒められた…!
運動部に入ってるし適度な筋肉は付いてると思う。
鍛えてて良かった。
やべぇ、清隆寺に褒められただけでこんなに嬉しいのは多分今まで散々な扱いだったからだろうな。
僅か数時間で色々な暴行を受けたし。
「テメェの目付きは気に入らねぇけど体は気に入った」
それが腰触った理由か。
体が気に入ったって事はもう殴られたりしなくなるかも…!
顔とか見える所に傷作らないだろこいつは。
皿を持ったまま明るい未来を期待したのに清隆寺の笑みを見たら体に嫌な汗を掻いた。
だって、すっげぇ悪い顔してる。
「その引き締まった腰を滅茶苦茶に抱き潰してぇ」
ぼそっと呟いて俺の腰を凝視する清隆寺。
抱き潰すって、ゴリラ並の馬鹿力を発揮して腰挫きするとかか?
バキッ、て清隆寺ならやりそうだしやれそうだ。
若しくは学校の特色を理解してたら思い付く発想というか…出来ればこっちの意味でありませんように。
この際、腰挫きで我慢するから!
寧ろもう聞き間違いでありますように!
「意味が分かってねぇみてぇだな…その細い腰を掴んでバックからお前のケツに俺のぶっといチンコ突っ込んで立てなくなるまで犯したいって言ってんだよ」
満足そうに腕を組んで見上げてくる清隆寺に眩暈を感じた。
何で言ってやったぞって顔してんだよ。
誰も具体的な意味聞いてねぇだろ!
これならマジで殴る蹴るの方がましだ。
何気に自分のナニのデカさをアピールしてるし。
見た目通り謙虚になれよそこは!
何で性格が反映しちゃったんだよ!
すっげぇ嬉しくねぇー…
つか、もう泣きそう。
「お、俺より腰細くて可愛い男なら居るじゃねぇか」
何とか矛先を変えようと適当な事を言ってみた。
そうだ、皆女みたいな男を見て抱きたいだの何だの言ってんだからこいつだって…
「テメェは馬鹿か。俺よりデカくていかにも男って奴を啼かすのが楽しいんじゃねぇか」
今泣いてやるから俺をお前の楽しみに使おうとするんじゃねええええ!
ほらもう震えてきた!
現状に耐えきれなくて震えてきた!
言え汰狼!もうこれ以上は耐えられねぇっ!
「清隆寺っ…」
「あ゙あ?」
「……皿洗ってきます。清隆寺様」
折角決意したけど撃沈した。
だってさ、あの目付きはやべぇよ。
絶対1人は殺ってる。
あ、様付けしなかったからか?
それとも見たから?
今の発言が清隆寺の気の迷いでありますように。
皿を持って情けなく肩を落として俺は元昼食の後片付けを始めた。
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mokuji]