何が悪い! | ナノ
新たなピンチ

 


そういや、雨宮も俺も体が綺麗。
皆、ホントに優しいよね。
寧ろエチケットとか?相手が失神したら体を綺麗にするものかな?
あまりにドロドロだったから几帳面な雨宮的に許せなかっただけかも。
離れてる雨宮に感謝して起きようとしたら起き上がれない。
腰がっ、腰がぁぁあっ!
ツインズとヤッた時に既にピークが来てた腰にトドメさされたからね。
あの腰使いは反則。
だからベッドで寝転がったままなんだけどね。
ヤッベー…
枕元にある時計を見たら放課後どころか夕食前の時間帯。
着せられた制服のズボンのポケットから携帯を取り出して開いた。

「ひっ、ひえぇぇぇ…」

着信とメールの数が凄い。
しかも全部疾風から。
メールに至っては段々素っ気なくなってる上に句読点すら無くなってる。
ああああああああああ!
疾風がお怒りだっ!
どうしようっ!電話するっ!?
いやそんな時間あるなら早く帰らなきゃっ!
でも腰がぁぁぁあっ!


「優、部屋まで送るぞ」

俺の腰の状態を気付いたのか雨宮が声を掛けてくれる。
有り難い、有り難いけど…疾風が怖い。
てか何で嬉しそうなんだよお前ぇぇっ!
人の気も知らないでっ!

「優の部屋かぁ…」

すっごい良い顔してるよ。
俺の部屋には今お怒りの疾風さんしかいないから。
雨宮ー…

「これ以外、運び方無いの?」

「無い」

お姫様抱っこって。
もうこのまま運ぶ気満々の雨宮には俺の声なんて届かないから大人しく運ばれた。














「で、優。何でそいつと居んの?」

「優、お前の同室者って前崎だったのか?」

「は、ははは…」

ルンルン気分の雨宮に運ばれて部屋に帰ったんだけど今この空間がカオス。
笑顔なのに目が笑ってないどころか青筋立ててる疾風さん。
俺を抱っこしたまま目を見開かせて疾風と俺を見比べる雨宮。
顔真っ青な俺。
それを見守るギャラリー。
俺、死にたい。
取り敢えず両手で顔隠そ。


「わざわざうちのバカを運んでくれて有り難うございます風紀委員長。後は俺が面倒見ますんで」

「えっ、あっ、おいっ!」

疾風が強引に俺の体を抱き抱えて一方的に喋ってドアを閉めた。
ヤバイ、疾風マジ切れだよ。
前の食堂の時よりキレてるよ。

「優、どういう事?」

「そ、それは腰に力が入らなくてですね…」

「ふーん、何で腰に力が入らなくなっちゃったのかなー?」

口調は優しいけど言えない。
は、疾風、笑顔すら無くなってるぅぅぅっ。



「優、じーっくり話聞くからね」

「あ、あい」


疾風に抱き抱えられたまま部屋の中に移動した。


 


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