声に乗せて | ナノ
本番秒読み

 


まだ小さくて人形のように可愛いふわふわした俺の大切な妹。
ああ、やっぱり笑ってる顔が1番可愛いな。
だから、笑ってよ。
大好きなハンバーグも作るから、ね?
桜慈、笑って…?



「ん、んぅ…」

何か夢を見たような…思い出せない。
そういえば俺、いつの間にか寝ちゃってたの?
折角桜慈が会いに来てくれたのに…謝らなきゃ。

「あれ?鞄…」

体を起こして早速目に入ったのは教室に忘れた筈の鞄。
何で…てか今何時だろ?

「今は……えっ!?8時!?」

枕元のデジタル時計を見たら8時だった。
PMじゃなくてAMね。
って事はもう朝で土曜日で…

「ヤバイっ!」

携帯を見たら連絡は…無い。
今日練習する、よね?
帝の事だし、また面倒で連絡してないとかかも。
今度の金曜がライブなのに練習しないなんて事ないし。
それなら遅刻だっ!

「携帯と財布さえ持っていけば良いよね?」

独り言を呟きながらちゃんと荷物を確認した。
よし、大丈夫。
部屋から出て凌に言おうと思ったけど休みだからまだ寝てるよな。
それにまた遅くなったりして凌に迷惑掛けるのも悪いしね。
一応リビングのテーブルに置き手紙を書いて部屋を後にした。
今からなら昼前には着くな。電車の時間もあるし急がなきゃ!
あまり早くないけど歩くよりは早いはずだから駅まで慌てて走った。



ギリギリ電車に間に合って何とか着いた。
急いだから疲れたなぁ。
スタジオから音が聞こえないけどいる、よね?
いないなんて事は無いはず!
入口の扉が開いてたし中に入ってステージへと向かう。

ステージに入る扉を開けたら案の定、帝たちがいた。

「帝、いつもいつも…ちゃんと連絡してよ」

「えっ!?お姫様、連絡行ってなかったの!?」

「お前ならちゃんと来るって信じてたぜ。おら真白、賭けは俺の勝ちだ」

「勝ちなのは分かったからこれからはちゃんと連絡しろよ?お前が連絡するって言うから任せてんだぞ」

溜息混じりに真白は財布からお金を出して帝に渡してる。
また賭けてたのか。


 


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