声に乗せて | ナノ


 


そんな所を触られるなんて思ってもみなかった。
桜慈が持ってる本でなら見た事あったけど…これって、あれだよね。
俺、受け?

「ふぁっ、あっあっおぉ、じっ、はぁっそこっはっ…」

「燈瑪もやり方なら知ってるでしょ?痛くないようにゆっくりするから」

「まっ、てっ…あッ!っ、ひ、うっん…」

痛いとかそういうのじゃなくてぇっ!
唇が離れたし何でお尻まで弄られるのかを聞きたいんだけど息が詰まって言葉が出ない。
自分の先走りで解された所に綺麗な指がゆっくりと入ってくる。
力抜くとか無理だ。入ってくる指を押し出そうと体に自然と力が入ってしまう。

「お、じっ、くる、しぃっ…」

「ごめんね…もう少し我慢してて?ちゃんと感じるようにするから」

「はぁっ…う、ぁっ…はぁっ…」

あやすように目元にキスを落として桜慈はまた俺のちんこを咥えた。
舌が裏筋を舐め上げただけでいっぱい溢れていた先走りの量が増していく。
思わず腰が揺れちゃってそれに合わせて挿入された指も抜き差しされる。
不意に桜慈の指先がお腹の方を擦るとびくっと腰が跳ねた。

「あぁっ!んぅっんんーっ!あっう、おぉじっ、そこっそこっやだぁっ!」

「んぅ、ん…嫌?でもとろとろになってくよ?」

唇が離れて今度はまた手で扱かれる。
濡れた口許を舐めてながら見下ろす桜慈が凄く艶やかで綺麗。
先端を親指で捏ねられて何回も中の良い所を擦られてる。
指が2本、3本と増やされても扱かれてるお陰で痛みは感じない。
ただ今にも絶頂を迎えそうだ。

「あっぁっ、おぉっじ、おぉじっ、いっちゃう、からっ、もぉっ、やめっ…」

「止めないよ。このまま僕にイかされて?…今は、僕だけを見て。僕で感じて」

「おぉ、じっ、あっあっあぁぁっ!」


3本の指で引っ掻くように前立腺を擦られて親指で先端の割れ目を擦られたら我慢出来ずに射精した。
溜まってたのもあっていっぱい出したからか下半身が怠い。
呼吸を整えてたら桜慈が白く汚れた自分の指を舐めてる。
あれって俺の…!舐めないでぇっ!

「……僕が、男だったら良かったのに」

「はぁっ、ん…おう、じ…?」

自分の荒い呼吸で桜慈の声が聞こえない。
何て言ったの?
体を起こそうとしたら桜慈が覆い被さってきて起きれなかった。
ねぇ、そんな悲しそうな顔をしないで?
桜慈は笑ってる顔が1番だよ。


「燈瑪…忘れないでね?燈瑪と1つにはなれないけど、世界で1番燈瑪を愛してるのは僕なんだから」

「桜慈…」

はにかみ笑う桜慈に無意識に自分からキスをした。
桜慈の唇は涙の味がした。


 


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