声に乗せて | ナノ
また一難

 


まずい。これは非常にまずい。
桜慈が会いに来てくれたのは久し振りだしすっごく嬉しいけどぉっ。
まさかこのタイミングで会いに来てくれるなんて。
上着の裾を出来るだけ引っ張って前屈みで隠してみたけど桜慈がじっと見てくる。

「燈瑪?どうしたの?」

「えっ、どっどうもしないよっ。桜慈が久し振りに来てくれてすっごく嬉しいよっ」

「えへへ、前に見つかったし来るの我慢しなきゃって思ったんだけど…燈瑪に会いたくて」

蕩けそうなぐらい甘い笑顔で笑う桜慈は本当に天使だと思う。
笑顔1つでこんなにも癒せるのは天使しかいないよな、うん。
可愛いんだけど今は白薔薇の制服着てるし髪型とかも男みたいだから格好良くも見える。
可愛いのに格好良いなんて、やっぱり天使だ。
桜慈万歳!
桜慈につられて笑ってたからすっかり忘れてた。
股間の非常事態を。

「燈瑪ーっハグーっ」

「ハグ…っ!」

いつもみたいに熱烈な抱擁をされて反射的に抱き締め返しちゃったよ。
お互いに抱き合ってるんだから距離はゼロ。
桜慈の脚に俺のナニが当たってる。

「……燈瑪?これはどうしたの?」

「うぁっ…えっ、どっ、どうしたって、な、何が?」

「何がじゃないでしょ?何でちんこ勃ってんの?」

「ぁっ、うっ…桜、慈っ」

さっきまでと違って桜慈の声が一気に低くなった。
ああ、桜慈にちんことか言わせちゃったよ。
女の子にはしたない言葉を言わせるなんて…
てか、流石にこれじゃもう誤魔化せないよね。
俺が誤魔化そうとしたのが気に入らなかったのか桜慈は眉を寄せて俺の腰を抱き寄せる。
ちんこを刺激するように小刻みに脚を動かされる度に鼻に掛かった声が漏れる。
しかもちょっとずつまた熱を取り戻してるよっ!
何反応しちゃってるんだよっ!
桜慈の脚がちょっと動くだけで気持ち良くて膝が震え始めた。
必死にしがみついてるなんて兄として男として情けないよなぁ…
妹の脚で勃たせるってどうなんだよ。


「燈瑪、何でこんな事になってるの?」

「んぅっう、それ、はっ、あ、あめっ…」

飴を食べたからって言おうとしたけど言葉が詰まった。
徹と内緒って約束したのを思い出したから。
約束を破るのも嫌だし、だからと言って適当な嘘は吐きたくない。
そのまま言葉を止めてたら桜慈に手を引かれた。

「燈瑪、人から貰った飴を無闇に食べちゃダメだよ。その飴に媚薬が入ってたんだ」

「ふ、ぇ…あ、うん」

あれに媚薬が入ってたからこんなに勃ってんの?
いや、普通の飴だったよ。
そういえば桜慈が言ってた王道のパターンに媚薬がどうとかあったような…
違うって言い返したら徹との約束を破るから素直に頷いて手を引かれるままに俺の部屋に向かった。
何で、部屋?


 


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