声に乗せて | ナノ
お呼びだし

 


徹を見送って桜慈はいつもの日課になっている放課後の生BLウォッチに行って今俺は陵の膝の上にいる。
何故だ。
俺、そんなに抱き心地良いの?
ふわふわとか?

「……」

自分の腕を摘まんだら思いの外ふにふにしてた。
これなら気持ち良い、かも?
何か悔しくなってきた。
腹筋背筋ならそこそこあるのになー。

「何かブーブー言ってねぇか?」

俺の頭に顎を乗せてる陵の言葉で胸ポケットに入れてる携帯が震えてる事に気付く。
ランプの色からして着信だ。
俺は誰からの着信かも確かめずに電話に出た。

「もしもし?」

『やっほーお姫様!ひっさしぶりっ!』

予想以上におっきい声が頭に響く。
み、耳痛い…!
いつも声がおっきいんだから!
咄嗟に耳から携帯を離して小さく溜息を漏らした。

「アキ、久し振りだな」

電話の主は三井 秋正(みつい あきまさ)で我がバンド、khaosの下手ギターだ。
良く言えば人懐っこい。悪く言えば馴れ馴れしい。
そんな感じ。

『お姫様ー?何か声遠くないー?』

「そんな事ないよ。どうしたの?」

『あ、そうそう!ちゃんと徹から話聞いたー?帝っちに確認しろって言われてさー』

アキ、やっぱりまだ帝にパシられてるんだ…
でもアキが居なかったら俺がパシられそうだからお願い。そのまま耐えろアキ!

「うん、聞いた。相変わらずだね、帝は」

『ホントにねー。あ、明日土曜で休みだよねー?明日、朝10時いつものスタジオに来てねー。』

何ですと!?
急過ぎる!
俺にだって予定とかっ…ないけどさ!


 


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