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 音哉×奏斗(大学生)

音哉には悪いんだけど、寝付けない時に音哉を起こすと、やれやれって仕方ない様子であっためてくれる牛乳が大好きだったりする。
冬にはインスタントのコーンポタージュとか、ココアになったりもする。牛乳やお湯をあっためるのは俺だってできるけどさ、音哉が作ってくれると同じものでもおいしく感じられるから不思議。今日はココアだった。やったね。

「これ飲んだら寝ろよ」
「はぁい」

布団を半分たたんで、小さなテーブルを出して、その上にはマグカップが二つ。もちろん俺と音哉のやつ。
深夜のこの音哉との時間も好きだったりするけど、だから音哉を起こしてるわけじゃないよ。寝られないからだからね。それに、そう毎日寝られないわけじゃないから時々だからね。

「音哉って優しいよねー。女の子にモテるのも分かるよ。かっこいいし」
「……お前にだけだよ」
「あれー? 照れてる?」
「照れてない」

俺にだけ特別優しいのは知ってるけど、俺以外の人にもなんだかんだで優しいんだよね。たまに妬くこともあるけどそこが好き。

小さなテーブルに向かい合う音哉は、髪を下ろしててパジャマ代わりの高校時代のジャージを着たレアな姿。髪を下ろしてる音哉って色っぽいっていうかエロいんだよ。見せてあげないけど。

「眠くなってきちゃった」
「お前、本当は眠かったけど喉渇いたから俺起こしたんだろ」
「違うよ! さっきは本当に寝られなかったの! 音哉があっためてくれたココア飲んだら眠くなったの」

そして音哉の作ってくれた飲み物を飲むと眠くなるのもいつものことだけど不思議。

「じゃーさっさと寝ろ寝ろ。早く寝ないと大きくなれないぞ」
「今なんて言った?」
「なんでもない」

空になったカップを片づけてくれる音哉に甘えて、お先にごろんと布団に寝転ぶ。目を閉じたら気持ちよく眠れそうな睡魔がやってきたので、おやすみなさい。……でも、明日起きたら覚えてろよ。

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