SSS置き場 | ナノ


 鳴海と音哉

「あああああもおおおおユーフォ吹きたいユーフォ! ふぉにたあああああん!」
「……うるさい」

さっきから定期的に叫びだすもんだからもう慣れた。叫んだ時に机を蹴ったらしく、その衝撃が向かい合せにくっつけた机から伝わってきたせいで計算やり直し。この野郎。
慣れたとはいえ問題につまずくごとに同じことを繰り返し叫ぶのは鬱陶しいが、気持ちは分かる。叫んだりはしないけど。

「追試だけは避けたいけど今回の数学ダメそう……やべえ」
「赤点さえ回避できりゃそれでいい」
「俺もそう思ってるけどそれすら危うい……」

言っちゃ悪いけど俺も鳴海も頭は同じくらい。いいか悪いかでいえば悪い。
俺も追試で部活が潰れるのは嫌だし最低赤点は取らないようにはしたい。奏斗が言ってたけど、暗譜はできるのになんで暗記はできないのか。

「俺学校に楽器吹きに来てるからな。勉強しに来てるんじゃなくて」
「あ、俺も」
「おとやんもか! だよなー! だから追試で部活潰れたら学校に来る意味ないんだよな。っつーわけで、やっぱ頑張らないとなんだよなー」

勉強は将来のために大事、とは思ってるけど、めんどくさいし好きじゃない。どうせそんなに頭良くないし。こうやって必死に勉強したっていい点数は取れないけど、追試になるのは何より部活に行けなくなるのが嫌だからせめて赤点だけは回避できるように頑張ってるわけで。まあ結局は自分のためか。

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