SSS置き場 | ナノ


 律と鳴海

僕が吹奏楽部に入った理由は、小学生の時に聞いたオーケストラの演奏が忘れられなかったから。あの時オーケストラの演奏を聞くことがなかったら、今頃陸上部に入ってたと思う。

オーケストラと吹奏楽は違うけど、マリンバを四本のマレットで演奏していたお姉さんに憧れて、マリンバの音色に惹かれて、僕もあんな風に演奏できたらな、と思った。

中学生になって、吹奏楽部に入って、僕以外誰も希望する人がいなくてって理由だったけど、希望してたパーカッションになったのは本当に嬉しかったし、奇跡だと思う。

マウスピースを鳴らすことができない、肺活量が足りない、体格的に難しい、希望する人が多くて……いろんな理由で、希望の楽器になれない人はたくさんいる。

「俺も吹部入った時、サックスやりたかったんだよな。でもどう頑張っても音が出なくてさー。それでいろんな楽器たらい回しにされてユーフォになって、ユーフォなんて楽器全然知らなかったから渋々って感じでやってたけど、吹いてるうちに大好きになった! ユーフォ知らない奴は人生の八割損してるよな!」
「うんうん。ユーフォの音、僕も大好き」

吹奏楽部に入って、希望の楽器になれなかった人、みんなそう言うんだよね。最初は好きじゃなかったけど、やってるうちにその楽器を好きになる。

打楽器、特にドラムを叩いてる時のねこやん、チューバを吹いてる時のねむのん、ふぉにたんについて話してる、吹いてる時のなるみん。みんなすごく生き生きしてて、楽しそうで、きらきらしてる。

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