SSS置き場 | ナノ


 性転換音哉と奏斗

音哉も奏斗も先天的な女の子

音哉→おとは、奏斗→奏子(かなこ)






「もうとっくに練習終わってるよ」
「えっ嘘!? もうそんな時間?」

倉庫状態の音楽準備室には時計がない。ちょうど奏子の座っている向かいの壁にかかっている時計はその役割を果たしていない。私の一言で奏子は慌てて片付けをはじめる。
楽器を片付けにここに来る途中、ドラムの音が聞こえたから夢中になってるなーとは思ってたけど。今日は会議があるらしくて音楽室は練習に使うなと言われた。管楽器は面倒だけど少し遠くの教室まで移動して練習してて、パーカスは楽器の移動が大変だからここで練習するようにとのことだった。準備室は音楽室のすぐ隣だから、自分の知らない間に会議が終わってたらしい。ただでさえ狭いのに楽器が並んでるからさらに狭いここで練習してたとか、他人事で申し訳ないけどパーカスっていろいろ大変だなぁと思う。

「この前渡された曲さ、テンポ速くてめっちゃ楽しい!」
「そりゃよかったね」

つい先日、新しい楽譜を渡されたばかりだった。テンポが結構速いから好きそうだなーと思ってた。パーカスってよく腕とか足とかこんがらがったりしないよなぁ。私からすればすごい。

「でもやっぱり胸が邪魔なんだよなー」
「……それみんなの前では言うなよ」
「はぁい」

ぴょんと小さく跳ねるとそれに合わせて奏子の育ちのよすぎる胸が揺れた。身長が伸びなかった代わりに胸に栄養がいきまくったらしい。制服の上からでもはっきり分かる奏子の大きな胸はやっぱり目を引く。こんなに大きくなったの、ここ一年だった気がする。いつも何気なくしているその発言は大多数の女子を敵に回すぞ。

「もうすぐおとは誕生日だし、プレゼントに胸分けてあげるね」
「いやいらない」
「えー」

こいつほどはないけど私もない方ではない。それなりにはある。
まあ、奏子からしたらドラム叩くのに邪魔だから迷惑なんだろうけどさ。

「ほら、ワイシャツの前ちゃんと締める」
「あ、忘れてた」
「胸見えてるから」
「やだーおとはの変態ー」
「そっちが見せてるんだって」

胸が邪魔発言もだけど、それ以上に無防備なのはもっとどうにかして欲しい。

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