−桜舞う季節

私は今日から中学生です。



01.はじまり



私、名字名前は本日より立海大附属中の生徒です。

幼馴染みも一緒だけど、これだけ人が多いと流石に緊張しちゃうな…


て言うか、まず掲示板に人がいすぎて自分のクラス確認出来てない…!

さっきまで一緒にいた幼馴染みもいないし…


私、背が低いから見えない上、先生方がクラス表を配ってたけど直ぐなくなっちゃったみたいだし…



人が減るのを待とう。


うん、それが一番だ。

生憎あの人の塊に突っ込んでいく勇気はない。

そう思って少し離れた場所に立っていると、

とん、と肩を叩かれた。


振り向いた私は思わず数秒フリーズしてしまった。

そこには開いてるのか分からない目をした、とても綺麗なおかっぱの子がいたのだ。


「あの…」

「あ、はい!ななな何でしょう?」


声をかけられて我に返った私は吃ってしまった。


「ふっ…」


笑った顔はもっと綺麗…

自分の幼馴染みもそれは女の子顔負けの可愛さだが、この子も中々だ。

なんて、口元を押さえながらも肩を震わせる彼を前に、顔を赤く染めつつ、そんな事を私は考えていた。


いつまでも、こうしてる訳にもいかないので声をかけてみる。


「えっと、あの…」

「ああ、すまない。良かったらこれ…」


と紙を差し出してきた。

とりあえず受け取ると、それはクラス表だった。


「掲示板見れなくて困っていただろう?」

ちょうど二枚重なってたから…と続けて「じゃあ」と、彼は来た道を戻る。


「あ、あの!」


慌てて呼び止めると歩みを止め振り返ってくれた。


「ありがとう!」


そう笑顔で言って手を振った私に、彼も同じく笑顔で手を振り返してくれた。


その笑顔に何だか胸の心拍数が上がった気がした。

それが何の気持ちか、気付くのはまだまだ先の話である。



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